塩麹とは
最近すっかりブームとなっているのが塩麹です。塩麹は、麹、塩、水を材料にして発酵、熟成させた、伝統的な調味料ですが、日本では昔から野菜や魚の漬物床での利用法が定着していました。
これが昨年の後半頃から福井県を皮切りとして、いろいろな利用法が広まるようになっていったのです。これに伴って塩麹を利用したレシピも書籍や料理教室で公開され、特に福井県では「ゆるキャラ」も発表されるなど、ブームの様相を呈しています。
もともと麹とは、穀物(米、麦、大豆など)や精白する際にできる糠などに、食品発酵に有効なカビを中心にした微生物を繁殖させたものです。
カビが増殖するのは、菌糸の先端からデンプンやタンパク質などを分解する酵素を生産するからで、蒸米や蒸麦のそれらが分解されて、グルコースやアミノ酸を栄養源としています。
カビの分解酵素の作用を利用することで、日本酒、味噌、醤油、食酢、漬物、焼酎、泡盛など、いろいろな発酵食品が製造されており、こうした発酵技術はヒマラヤ地域と東南アジアを含む東アジア圏特有のものです。既に生成している酵素を食品の発酵に使うわけですが、発酵時に必ず微生物が生きているというわけではなく、味噌や甘酒をつくる時がそれに該当します。
カビはその主体ですが、日本酒、味噌、醤油などは主に黄麹菌で、本格焼酎では黒麹菌が使われます。
塩麹も麹と塩、水を発酵・熟成した伝統的な調味料ですが、最近再び注目されるようになったのが特徴的です。